「昼の光、夜の闇、そして」

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その日を境に、サークルの雰囲気がガラリと変わった。 <避けられてる>って感じ。男子からも女子からも。 話しかけられることもなくなったけど、こちらから話しかけても適当な返事でスルーされる。スルーって、めっちゃ感じ悪い。 先日の飲み会だって、店を変えて集まってたんだって。 「あ、お前なんでこなかったの?」だってさ。なんだよそれ。 もうすぐ夏休みだというのに、恒例の合宿の話も伝わってこない。 メンバーに聞いて確かめても「さあ、知らねーな」など、あいまいな返事ではぐらかされる。 <やっぱり外されている> 怒りと悲しみが混じった感情にふりまわされて、毎朝起きるのが憂鬱になった。学校もさぼってしまいたくなる。 <なんでだよ!こんなことこれまでに一度もなかたよ!僕はなにか嫌がられるようなことしたっけ?> 考えてもわからない。けど孤立状態は続いている。 <何か気分を害したんなら言ってくれたらいいのに> 僕はサークルに出るのをやめた。気分はへこむばかりだ。 希望に燃えてスタートした大学生活。 明るい光に照らされていた日々が、 急に陰り、夜の闇に一人で蹲っているみたいだ。 何でこんなことになるんだよ。 サークルの合宿のつもりで日程を空けていたので、7月後半からの予定はスカスカ。 実家でのんびりするか、と帰郷の予定を早めた。 <母さんが有名人だったって話も気になるし、聞いてみなくちゃ>
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