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そこまで話すと、父さんは両手で顔をおおった。
あとはまるで独り言のように、つぶやくのだった。
「お前はこんな話、一生知らずに過ごして欲しいと思っていたんだ。
無理な願いだったんだろうか。
いけないことだったんだろうか
お前は…生まれてこなかった方がよかったと思っているのだろうか?
生まれてきたことを恨んでいるのだろうか?
俺たちの息子であることは、お前にとってマイナスでしかなかっただろうか
もしそうなら、俺たちは…どう償えばいいのだろう…」
父の頬に、とめどなく涙が流れていた。
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