425人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫なワケねーだろ。大丈夫だったらお前なんか呼び出してねーわ。つーかそんなことより先に言うことがあるだろーが」
「ごめん、遅くなって」
「今さら謝られても遅いんだよ。とっとと服脱いでこっちに来い!」
滅茶苦茶なことを言っているのはわかっていた。理不尽だろう。でもこれ以上の理不尽を自分は背負わされているのだ。これくらいやってやって何が悪い。どれだけ博巳に理不尽を叩きつけたところで、それは自分が背負わされている分を決して上回ることはないのだから。
脱いだジャケットをきれいに折り畳んでベッドの端に載せている。どうしてこいつはいちいち、いらつかせることばかり。大きく脚を動かして蹴り落としてやる。脚を動かした際、シーツが思いきりよれた。シーツは半分以上ベッドから外れてしまって、もう意味を成していない。
博巳はようやく服を脱いだが、まだぼーっと突っ立っている。
「でも、いいのかな」
「何が」
「帰ってきたばっかで汚いし……」
上半身だけ起こし、ゾンビのように這いずって博巳の腕を掴んだ。博巳は小さく「ひっ」としゃくり上げた。本当にゾンビになったみたいだ。下半身をべたべたと濡らす愛液が、腐った肉塊のように感じる。
「何、身体の汚さなんて気にしてんだよ。もっと汚いところが他にあるくせに」
すっかり言葉を失っているのを見ると、少しだけ溜飲が下がった。けれどいつまでもそのままじゃ困る。やるべきことはやってもらわないと。
腕を掴んだのとほぼ変わらない力強さで、急所を掴んでやる。
「早く勃たせろ。わかってんだろ」
軽く扱くと、簡単に準備は整った。博巳の顔は青ざめ、とても今からセックスする奴の表情には見えないが、対照的にそこは真っ赤に膨れあがっている。そうだ、どれだけ拒絶しようがこいつはアルファなのだ。発情したオメガを前にすると、嫌でも興奮してしまう。
「何やってんだ。早く入れろ、よっ!」
最初のコメントを投稿しよう!