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私はとうとう、最後まで知ることはなかった。
何故彼が、その絵を描き始めたのか。
どんな想いで私と接していたのか。
どうして何も言わず、私の前に現れなくなったのか。
——私たちの物語は、いつから始まっていたのか。
木漏れ日の下に立っていると、ふと昔のことを思い出して胸が切なくなる。
あの日の私に伝えたい。そんなに不安にならなくていいんだよ、って。怖がらずに前に進めばいいんだよ、って。
そう。出会いは、この遊歩道の片隅だったーー。
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