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姉が不安げに私を見つめる。
「本当のことを言って」と彼。
私は……。
「ごめん、沙奈。わたし」
「わかってたよ」
はっとして顔をあげると、もう前から知ってたような姉の表情。
「ふたりともさ」
同時に彼に顔を向ける。
「なんていうか、昼の沙奈も、夜の沙奈……じゃなかった、妹さんも、好きだから」
どうしよう、困ったなという彼の表情。
「2人がいいんならさ、今までと同じがいいんだけど」
顔を見合わせる私と姉。
「沙奈がいいなら」
「花奈がいいなら」
私と姉、交互に見つめられて。
「1つだけ選ぶとか、無理」
姉とともに抱き寄せられる。
昼と夜が、夕焼けに溶け込んだ。
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