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佐野さんの言いたいことを量りかねて、首をかしげる。でもすぐに、まあいいや、とテレビに視線を戻されてしまった。
しばらくゲームのBGMと効果音だけが部屋を包む。集中してるのかなと思いきや、佐野さんが視線はそのままに口を開いた。
「考えたらさあ、俺突っ走ったよなあ。初心者なのに」
え、いきなりその話?
「……そうですね、かなり」
佐野さんの綺麗なラインを描く横顔を見つめる。そしていろいろ思い出して体が火照ってきた。
「あんなに迫られて俺も余裕なくしちゃって。もうちょっと落ち着いてしたかった……です」
「え、そんなに恥ずかしいことした? 俺」
「……いきなり女豹のポーズは反則ですよ。その前のも」
まさか初めての夜に咥えられるなんて。
「そういえばあれ、気持ちよかった? 俺、あんなのしたことないしさ、やり方とか全然分かってなかったけど、お前どうだったかなって……」
そんなの言葉にできませんって!
俺はもう耐えられなくなって、佐野さんの顎をとらえた。
「佐野さん、無自覚に煽りすぎ!」
「え、え? 俺別に何も……んんっ、待てって、ちょ、セーブさせて……っ!」
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