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「急がないと子猫殺すぞ? さあ早く来い、早く来ぉい!」
幸秀は悪辣極まりないゲームをしていた。
四肢を切断し4号室に置いた親猫を、子猫を抱えた自分がいる13号室へ来させようとしていたのだ。
「ギィッ、グゥォオ…!」
親猫は猫らしい鳴き声も忘れ、ただひたすらに子猫へ向かって進む。計り知れない激痛に苦しみながらも、自身の子どもを守るために必死で這った。
子を思う親は強い。親猫は大量の血を流しながらも、13号室に到着する。
と、幸秀が親猫の体を持ち上げた。
「よくがんばったなあ猫! がんばったごほうびに」
歪んだ笑みが、顔全体を染め上げる。
「一緒に殺してやるからなぁああああああああ!」
彼は13号室に入ると、親猫も子猫も殺した。
体から内臓をえぐり出しては、部屋中に投げ散らかした。
その後、深夜の絶叫を不審に思った周辺住民の通報により、警察が日陰荘に踏み込んだ。血まみれだった幸秀は、カラスの鳴き真似をする時間すら与えられずに身柄を拘束された。
しかしここで頭の弱さが味方する。彼は施設に送られるだけで事なきを得た。
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