パラノイア

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パラノイア

不確かで 不明瞭で 水槽の中、窮屈に泳ぐ金魚みたいに 明日の私はどこに行けばいい ゆらゆら貴方の腕の中、揺れる私は誰のモノでもない 青い瞳が綺麗だという貴方、抉りとってガラス瓶にホルマリン漬けの私の瞳 無くなった腕 ぎこちなく動く足 人でなくなった私 あの金魚より窮屈になった私をこの上なく愛し続ける貴方を、愛おしいと思う私はとうに狂っているのかもしれない
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