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幼なじみ以上・・・?
東咲良川へ行くまで、裕太は自然に手をつないできた。手はつなぐんだけど・・・好きだ、とか、つきあおう、とか言われたことないんだよね。私からも言ってないけど。だから、なんだか、宙ぶらりん。
”The Setting Sun" というのが、そのカフェの名前だった。設置しつつある太陽?なんのことだろう。英語力も国語力も貧困な私は悩む。薄い朱色を基調にした、かわいらしいカフェだった。
「いらっしゃいませ」
「あの、テイクアウトできます?」
裕太が聞く。
「ええ。もちろん。ケーキも飲み物も。パフェは、ちょっと無理なんですけど」
私は、
「ケーキと飲み物でいいです。えーと何にしようかな」
ふと、キラキラしたオレンジが使われたの、店名と同じケーキが目に入った。
「このケーキの名前って、日本語に直すと何なんですか?」
「あぁ。【沈みゆく夕陽】って意味です。ピスタチオクリームが草原を、オレンジとジャムが夕陽を現わしています」
なんだか、ロマンティックな名前。
「私、これにする。裕太は?」
「じゃあ、僕も。The Setting Sun 2つにストレートのアイスティー、2つ」
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