沈みゆく夕陽のマジック

1/1
前へ
/4ページ
次へ

沈みゆく夕陽のマジック

「ありがとうございます。合計1260円です。お客さん、知ってます。東咲良川の沈みゆく夕陽のマジック」 裕太と私は顔を見合わせる。 「いえ・・・そんなの、聞いたことありません」 「東咲良川に陽が沈んでいいるあいだキスをすると、一生、一緒にいられるんですって」 裕太も私も真っ赤になった。カップルって思われたんだろう。 「ありがとうございました~。お幸せにね~」 明るいお姉さんに見送られ、店を出て河川敷に向かう。 「このへんでいいか?」 「うん」 レジャーシートを敷いて、添えてくれた紙皿に、「The Setting Sun」を載せる。 「本当にきれいだねぇ」 「本物の沈みゆく夕陽もきれいだぞ。ちょうど、陽が落ちてきたところだ」 ・・・陽が沈んでいる間にキスすると・・・お姉さんの言葉がリフレインする。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加