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沈みゆく夕陽のマジック
「ありがとうございます。合計1260円です。お客さん、知ってます。東咲良川の沈みゆく夕陽のマジック」
裕太と私は顔を見合わせる。
「いえ・・・そんなの、聞いたことありません」
「東咲良川に陽が沈んでいいるあいだキスをすると、一生、一緒にいられるんですって」
裕太も私も真っ赤になった。カップルって思われたんだろう。
「ありがとうございました~。お幸せにね~」
明るいお姉さんに見送られ、店を出て河川敷に向かう。
「このへんでいいか?」
「うん」
レジャーシートを敷いて、添えてくれた紙皿に、「The Setting Sun」を載せる。
「本当にきれいだねぇ」
「本物の沈みゆく夕陽もきれいだぞ。ちょうど、陽が落ちてきたところだ」
・・・陽が沈んでいる間にキスすると・・・お姉さんの言葉がリフレインする。
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