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ずっと一緒に・・・。
2人でケーキとアイスティーをしばらく無言で食べた。ケーキの味は、ほんのり甘くておいしくて、このカフェにはまた2人できたいな、って秘かに想った。
「あのさっ」「えっとねっ」
2人同時に言葉を発した。
「裕太からどうぞ」
「いや、梨良から」
「裕太が先だったもん・・・」
涙目で裕太を見つめる。
こほんっ、咳払いをすると裕太は言った。
「僕たち、ずっと・・・あたりまえのように一緒にいたけど。考えてみたら、ずっと一緒にいられる約束、一つもしてなかったんだよな。僕は、ずっと、梨良が好きで・・・なんとなく、君もそうなのかな、って。で、今まで来たけど・・・僕、本気で梨良が好きだ!ずっと一緒にいたい」
「私もっ・・・裕太が大好きっ!今までも、これからも、ずっと変わらない」
裕太がふわり、と微笑ってくれた。
「じゃあ、僕ら。ずっと一緒だね・・・えっと。・・・キス、していいかな」
「もう。そんなこと聞かないでするほうが、男らしいのに。でも、裕太だからなぁ」
「なんっ・・・」
裕太が赤くなった。
「私とかけっこしていつも負けて泣い・・・」
裕太ががしっと力強く、私を抱きしめ、長い、長い、キスをした。呼吸できなかった。
「息しろよぉ!」
爆笑する、裕太。だって、突然だったから。
でも、どうやらぎりぎり、完全に日が暮れる前だった。
「今は、身体でも心でも梨良を守れるよ。それだけの力になってたの、気がつかなかっただろ」
「裕太・・・」
もう一度、裕太は優しいキスをくれた。
「ずっと、一緒にいよう、な」
「うん・・・あっ、一番星!」
「一番星にもお願い。2人が一緒にいられますように。ずっとずっと・・・」
河川敷をあとにし、いつもとは違う「恋人つなぎ」で手をつないで、家路へと急いだ。
*fin*
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