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スイーツの誘惑
「梨良~!ダーリンが待ってるよ」
またぁ。待たなくていい、って言うのに幼なじみの裕太はわんころのように毎日私を待つ。
「はいはい。今行くよ、裕太」
「今日はどんなスイーツ食べよっか、梨良。ここのカフェのミルフィーユ、すごいおいしいんだって。アップルパイもなかなからしいよ」
そうなのだ。裕太と帰るのが嫌なんじゃない。裕太が私のスイーツ好きを熟知していて・・・最近、制服のウエストがきつい。裕太もスイーツも好き!だから、断れないんだよね。でも、私が裕太を好きなのは、きっとあいつは気づいていないと思う。単に、スイーツに惹かれてると思ってるんだ。
「どこにあるの、そのカフェ?」
「東咲良川の向かい側」
東咲良川・・・私は、そこから見える夕陽が大好きだ。そんな私の気持ちを察したかのように裕太は
「東咲良川の河川敷にさ、レジャーシート敷いて、食べないか?僕、そのつもりで持ってきた」
「う、うん」
「じゃ、帰ろうか。江藤さんバイバイ!」
「梨良、裕太くん、また明日ね」
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