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おしごと
『お疲れ様ー
時間ある時、履歴書持ってうちの施設来て
いつが空いてる?』
あっそうだ。パートの契約するんだった。
『いつでも大丈夫です。何時くらいがいいですかね?』
副社長のところで、バイトかぁ...
俺は、同じ職場の人との恋愛は正直なところ苦手だ、
これが恋愛と言えるのかはおいといて...
しかも同じ職業の人とは絶対ヤダ!と思っていた。
そもそも、職場恋愛に発展するかもわからない、副社長が男を好きになるかもわからないのに...
そんなことを考えていると
『いつでもいいよ、仕事終わってからでもいいから来てね』と返事がきた。
副社長とはこれからどうなるのか...
可愛いの言葉がずっと頭の中をリピートする。
ドキドキも止まらない。
食欲も湧かない。食事も喉を通らない...
眠れない...
—————-...
なんだかんだで眠れない、食欲がない状態が1週間続いた。
『今日、行きますね』
ドキドキしながらLINEをうつ。
履歴書も持った。必要なものも持った。
後は副社長に顔を見せるだけだ。
仕事が終わり電車で向かう途中...
(副社長にあったら、まずなんて言おう!それよりも顔が見れるだろうか...こんばんは?お久しぶりですか?)
副社長とご飯を食べてから1週間。
それから、顔を合わせる事がなかった。
忙しいのか、LINEもまばらにしか来ない。
仕方ない。忙しい仕事してるんだ。
俺に構ってる余裕なんかないよな。少し寂しい気持ちになるが、今から会えるんだ。
駅に着き、ゆっくりと歩き出す。
副社長にこれから会えるのだと思うと、歩きも軽やかで、浮き足立っていた。
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