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妄想族
自動ドアの電源を入れようと、近づいてくる副社長
『ゆうきくん.....』
そっと後ろから、ハグをされる。
『おか...ださん.....』
『りゅう....でしょ?』
ギュッとハグされた状態で軽く振り向くとフワッと微笑む副社長の顔が間近にある。
副社長の匂い、少し汗の香りと制汗剤の匂い。
髪の毛が顔にかかる程まで近づいて...キスまであと少し
『社長婦人下に...居るじゃないですか.......『しっ...黙って』
俺の唇にそっと添えられる人差し指に、ドキドキが最高潮を迎える。
唇に添えられた人差し指を少しずつずらし、頬まで達した。
副社長の瞼が少しずつ閉じていくのが分かる。
俺はそっと目を閉じた。
唇と唇が触れ合う感覚をじっと味わっていた。
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なんてね!なんてね!!!!
妄想の族な俺は、電車の中で不埒な考えを巡らせていた。
帰るまで、ニヤニヤする顔が抑えられない俺は周りからきっと変な顔をしていたのだと思う。
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