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れいんぼーぶりっじ
副社長の後をトコトコとついて行く
お台場と言えば、小さな自由の女神ではなかろうか。
駐車場からエレベーターでフロアまで行く。
エレベーターのドアが開くと殆どのお店が閉まっていた。
閉まっとるんかーい!
まぁ、夕食も食べて用事はないんだが。
「やっぱ閉まってるね、俺の職場のモチーフってこの階のお店をイメージしたんだよねー 」
副社長って運営だけじゃなくて、部屋の内装も携わってたのか!?
「えっ?あの職場のモチーフですか?」
「そうそう、あれ俺がやったの」
副社長の職場のイメージとしては、うーん...
爽やかな海みたいなリゾート地の様な装飾ばかりだった。
たしかに綺麗、素敵だとは思う。
「へええ...びっくりです。」
「俺はね、副社長だけど部長で...色々やってんのよ。すごい?」
少しふざけた表情をして、こちらを振り向く。
その姿に少し胸の高鳴りを覚えた。
「あっここここ!」
指さす先にはリゾート風のお店があった。
たしかに似せた雰囲気だなー
「うちのデイサービスもカフェでゆっくりして欲しいってイメージで作ってみた。」
たしかに今まで仕事をした中でも、飲み物の種類は豊富だった。
「へぇ...」
うんうんと頷き答える俺。
モチーフにしたお店から離れ、少し歩くと見覚えのある修学旅行でみた景色が広がった。
自由の女神の後ろには夜空の星のようにキラキラ光るレインボーブリッジが目に入った。
「わぁー!綺麗!あれが自由の女神と一緒に見える噂のレインボーブリッジかー!」
「綺麗でしょ?」
たしかに綺麗だ。そしてレインボーブリッジを!風景に写真を数枚撮った。
手すりに腕を乗せ綺麗なこの景色を目に焼き付けようと、見ていると隣にいた副社長が、腰に腕を回してきて驚いた
「はぁ!?何してるんっすか!?ぉぉおおお俺男ですよ!?周りに人いますし!?」
すっと腕が離れ副社長が声を出して笑っていた
「あははは、ごめんごめんwつい結城くんが可愛くてさー。男なんて今どき関係ないよー、可愛いものは可愛いんだから」
「ややややめてください!俺をからかわないで下さい!」
そういった俺の顔は恥ずかしさのあまり赤くなっていたのでは無いかと思う。
咄嗟にカバンを前にやり抱きしめて警戒したのだった。
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