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「今は仕事が楽しいしね。一定の人というか作る気はまだないかな。」
「そうなんですね。俺も今は仕事楽しいし今まで失敗ばっかでしたからねー。作るつもりがないのはわかりますよー。俺たち似てますね!」
そう、俺たちは似ているのだ。だからきっと惹かれあっているんだと思う。
惹かれあうというか、気になっているだけというか。
まあ、そもそも俺たちは男同士だしそういう関係に発展することはきっとないだろう。
「ね、似てるんだよね。あははは!」
「ですねー!」
そろそろ話も尽きてきたころだし、俺は帰り支度を始めた。
「じゃあ、俺そろそろ帰りますね。今日はほんと楽しかったっす。」
ドアを開けて、副社長のそばに近寄った。
会釈をして離れるつもりだった。
「ありがとうござ・・・」
その時、俺を引き寄せてはぐをされた。
「え…?」
「お別れさみしいなー。」
一瞬何をされたかわからずフリーズする俺。
それを見て、微笑む副社長。
「…?なんすかこれ?」
「んーまあ、特に意味はないかな。したかったからした。ただそれだけ。また会おうね。」
そういわれるとさっきのぬくもりは離れて行った。
手を振られ、無意識に振りかえす。
少し振り返った副社長は車に乗りこみ、エンジンをかけゆっくり発進していった。そのとき窓を開け、腕を振っている副社長をずっと見ていた。
ああああああああああああああー!????
なにあれーーーーーー!???
どういう意味だあれ!!!!
ハグ!?え!?
あるぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!???????
思考が混乱している。ハグをされた意味が分からなかった。
ぎゅって!今さっき、副社長のぬくもりが!
俺の俺の…俺のからだぎゅって、ぎゅってされた!!!
落ち着け、俺!いい匂いしたぞーーーー!!
落ち着け―おれーーーーーーー!
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