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土曜日、晴れ。 朝起きて、太陽を見るといつもより眩しい気がした。 気持ちも弾んでいる。 副社長と会えるのを期待して、仕事の準備をする。 「ポロシャツOK、靴...OKっと...後は...筆記用具っと....」 口に出しながら忘れ物は無いか確認。 部屋の中を一周して片付いているかも見る。 「よし、時間も大丈夫。仕事...行ってきます」 誰も居ない部屋に挨拶をして、鍵を閉める。 気分は上々。 なんてったって副社長に会えるんだから! 仕事には30分早くつく。 「おはよーございますー」 周りを一通りみて、副社長が居ないか確認...してる俺がいた... 「あっおはようございます!今日もよろしくねー」 陽気な声が聞こえた。 「花さん!おはようございます。」 いそいそと、休憩室にカバンを置き更衣室に行く。 更衣室は2階。 2階の更衣室の隣はどうも事務所らしい。 バルコニーには洗濯機、物干し竿 階段を数段登っていくとゴソゴソと音が聞こえてきた。 あっ、えっ、副社長...? 社長夫人もよく使うからどっちかわかんないけどあ 副社長だったらいいな 小さい声で「おはよーござーます...」というと ハキハキと 「あっ、結城くんおはよー」 なんて言って、モゴモゴと歯磨きしてるらしい。 とりあえずドギマギしながら挨拶して更衣室に入った。 ドキドキする。高まる心臓を抑えながら、着替え終わったら荷物片付けるフリしてドア開けてみるか。 副社長と今絡めたらいいな。 震える手を抑えながら着替えをする。 ほんとに中学生の恋心かと思うくらい心臓の音がうるさい。 着替えも済み、少しドアを開ける、後ろ向きで荷物をまとめている 不意に肩を叩かれ 「ぎゃっっ....!」 変な声が出た。 振り返ると、肩を叩いた犯人が驚いている。 「ちょちょ...!びっくりひたー!」 こっちのがびっくりだわ!不意に肩を叩くなよ! 「ほんほに、きずいてなかった?電動歯ブラひの音聴こえてたでしょ?」 「そそそそ、そんな音気づきませんでしたよっ!」 この人はっ! 歯磨きをしながら歩いたらいけませんって教えられなかったのか!!! すると1階から 「結城くんー!?大丈夫!?なんか大きい声聞こえたけど、副社長から意地悪されたのー!?」 下まで聞こえてたらしい。 「だ、大丈夫ですー!」 副社長は、歯磨きを終わらせるため洗面所に行ったみたいだ。 すぐ、副社長は戻ってきて 「びっくりしたーwwそんな驚くとは思ってなかったww」 そりゃ、誰だってびっくりするでしょうよ... 余計心臓の音がうるさくなったやないかーい!
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