彼女への伝言

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彼女への伝言

『私も妻としての役割を果たしていないし、悪いところもあることは認める。 だから、遊びなら見て見ぬ振りをするつもりだった。でもね、子どもになると話は別! 子どもを一人で産んで育てるなんて、簡単なことじゃない。だから諦めてくれたら付き合いは見て見ぬ振りをする、そう伝えて。 もしも、どうしても産むというのなら、今後一切二人が会うことは認めない、どんな手段を使っても』 なかなか寝てくれない下の子を寝かしつけながら、夫にLINEした。 こんな重大な話をLINEで済まそうとするところは、甘ちゃんな夫だ。 責任問題やめんどくさいことは、とことん避けようとするところがあるのは、出会った頃からだ。 『わかった』 一言だけの返事。 ちゃんと伝わるかわからないから 『なんなら、さっきのLINEをそのまま見せればいいよ』 『わかった』 それだけかよ! だいたい、夫がわざわざ私に言わなくてもいいことを言ってきたことに腹が立ってきた。 愛人がいようがいまいが、自分の小遣い内で遊んでくれてれば何も言わなかったのに。 知らずにすんだことをわざわざ知らせて、自分の責任を軽くしようとしてる気がして、考えれば考えるほど、苛立ちが募る。 許可が欲しいという彼女って女の、頭の中もわからない。 産んでも迷惑かけません? 産むこと自体が迷惑なんですけど。 なんで避妊しなかった? 他にも言いたいことはたくさんある。 直接会って言ってやろうかとも思う。 会ってしまうと、彼女とやらの存在を 認めてしまうことになる気がする。 できれば無視したい、徹底的に。 誰にもぶつけることができない怒りに、頭の中が沸騰しそうだ。
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