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内緒
「あだっ! 何で?!」
「だーかーらー、俺の血を飲めって言ってんだよ!」
は、はい?? 何でそうなるの? ってかアーリン僕のこと嫌いだったよね??
「え……なんで? 意味わかんない」
僕にはアーリンが何を考えているのか分からなかった。だけどランドルフがいない今、悪魔が欲しがるほどのご馳走を逃したくはない思いでいっぱいになる。どう答えようか悩んでいるとアーリンが先に話し出してくれた。
「別にテメーを助けようとかじゃなくて、アイツのやり方が気に食わないだからな。どーせ、お前の土下座見たさに姿を隠しているわけだし」
「え? そうなの?」
「長期出張と言っても行き先を言わなかったのが決定的だな。おい、俺の気が変わらない内に早くしろ。言っておくけどお礼だからな! さっきの!! 忘れんな!」
首元を大きく開けて胸元を無防備に曝け出すアーリン。浮かび上がる鎖骨の下に流れる血液が僕を酷く誘惑した。それでも飲むのをためらっていると、まだ文句でもあるのかとガンを飛ばしてくる。
「そんな怖い顔で見ないでよ……ありがとう、アーリン」
今更、いつも手の甲から吸っているとは言えなくて思いっきりアーリンの首元に噛みついた。
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