初めての戦闘、初めての人

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「誰だ!?てめえは!!」 「どっから入りやがった!?」 「入口から正々堂々だけど?」 「ほぅ…なかなか根性があるな。どうだ?俺達の仲間に…ぶわぁ!?」 調合の劇薬を盗賊のボスにかける。 効果は次第に出てくるだろうよ。 「…返事はそれか。良いだろう、野郎共やっちまえ!!」 「おおー!!」 ドポドポ…。 「…てめえ、何を撒いてやがる?」 「知りたければ、足先で触ってみれば?」 つんつん…と側近二人は何も知らずに足先で液体を触る。 「…何だ、何もねえじゃねえか?」 「ハッタリかてめえ!!」 「すぐには効かないだけだ、そんな事よりも親分の様子でも気にしたらどうだ?」 「…俺が何だって?」 「さっき、液体をかけたろ?その効果がぼちぼち出てくるぞ。」 「それもハッタリだろ、お前は嘘っぱちだ…「うぎゃあ!?」…親分!?」 ようやく効果が出てきたようだ、この劇薬はえげつないからな。 まあ、効果が出てくるのが遅いのが欠点だが。 「なんだ…体が…熱い!!」 「てめえ!!親分に何しやがった!?」 「その辺に生えてたキノコの悪い作用を全部引き出した液体を親分にかけただけだぞ?」 「解毒薬をだせ!!」 「無いよ、だって悪者用だし。因みに、お前らが足先で触った液体もそろそろ効果が…。」 「なん…だと…?」 側近に触らせたのは普通に毒薬だがな。 どちらにしても、鈍効薬だが。 「ぐっ…!?足先が痺れる!?」 「それの解毒薬も…無いのか…!?」 「いや、あるよ。一人分だけ。」 「よ…よこ…せ…。」 「金なら…いくらでも…払う…。」 「じゃあ、今まで盗んで来たもの全部今すぐ返してね?直ぐで頼むよ。」 毒薬で蝕まれる側近二人に無茶振りを叩きつける俺は…悪者かね? 「ぐっ…鍵を…。」 「だから…薬を…。」 「ああ、ありがとう。これで、開けられるよ。」 俺は、解毒剤を毒薬の上に流し込んで浄化した。 そして、鍵を手に入れて拐われた娘達と宝を助けた。 「助けてくれてありがとうございます!!」 「ああ、気をつけて村に帰れよ。」 俺は村の宝をストレージにしまって盗賊のアジトを後にした。
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