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「おおっ!!無事だったのですね!?」
「ああ、盗賊団を壊滅してやった。」
「これで、町にも平和が…さあ、今日はお疲れでしょう…狭い部屋ですが、ゆっくりしていって下さい。」
「そうさせて貰うよ。」
俺はベッドに明香ちゃんを乗せ、ストレージから一袋ずつに銅貨、銀貨、金貨を流し込んで、この世界で最も高価なセットの銅貨袋、銀貨袋、金貨袋を作る。
その次に、同じ袋に食糧を詰め込んで食糧袋を作り、水筒らしきものにも、満タンの物を作ってストレージに新規登録する。
さて、これで金回りと食糧回りは十分だろう。
「おや?貴方は眠らないのですかな?」
「ちょっと聞きたい事があってね。」
「聞きたい事ですかな…?」
「ああ、この金貨一枚でどれくらいの価値がある?」
「この金貨一枚ですと…かなりの量の食糧と水が得られますな。」
「袋一つならどうだ?」
「袋一つ…どんなものでも買えたり出来そうですな。」
ドサッと神父の前に金貨袋を置く。
横向きに置いたからか、袋の中から金貨が流れ落ちる。
「じゃあ、この一袋であんたを買収しようか。」
「おおっ…なんとも目映い…。」
「これで足りるか?」
「ええ、ええ…この神父、十分に足りますとも…しかし、買収とはなんですかな?」
知らないのか。
じゃあ、物量で教えて差し上げよう。
「じゃあ、神父さん。盗賊団が壊滅されてどう思った?」
「どうとは?」
「本当に村に平和が戻ると思うか?」
「…いえ、確かに娘達が帰ってきてくれたのは有難いですが…盗賊団にはお金も、食糧も水も何もかも足りませぬ。」
だよなぁ…盗賊団に困らされてるからどうにかしてくれで助けても、現状維持にもならないからな。
「じゃあ、盗賊団から奪ったこの金貨袋と食糧と水で足りるか?」
「…いえ、この村が十分に潤うには足りませぬ。」
「そこで神父に仲介役を頼みたい。」
「仲介役…ですかな?」
「ああ、神父さんくらいの人ならば…物の価値くらいは心得ていそうだからな。」
まあ、神父さんの裏の顔がどうなっていようと関係ないが…。
村が完全に潤うまでの仲介役よ。
「物の価値…いえ、私と言えども価値までは分かりませぬ。」
「そうか…じゃあ、金貨袋は無しだ。」
よいしょと金貨袋をストレージに詰めると、神父が興味を示した。
「その箱は…?」
「ストレージさ、許可がある者だけが触ることができる。」
「ほう…そうですか…どうやら私には触ることが出来ませんな。」
どことなく悔しそうな神父さん。
皆、高価な物には目が眩むか。
仕方ないな…情報の分だけあげるか。
「ここまでの会話と口止め料…神父さん、何枚欲しい?」
「…五…いや、十枚ですな。」
「じゃあ、口開いたら…この瓶の中でぐつぐつ泡立ってる物を一気に飲んで貰う権利を含めて二十枚な。」
「…それは一体なんですかな?」
「飲んでみるか?」
「いえ…やめておきます。」
なんだ、残念。
この瓶の中身は…超強力な何かだよ。
因みに少量は薬、多量は毒。
毒ってものは全部そういうものだからね。
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