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異種族との対面と今後の事について
俺は教会に戻ると、神父の「何か良いものありましたか?」という問いかけに笑顔で答えた。
村では眠らされた村人の対処が始まりつつあるが、俺はほっといて奥の部屋へと戻る。
部屋へと戻ったら、ストレージに居るあちこちぐるぐる巻きの異種族を取り出す。
「んー!!んー!!」
「はいはい、喋りたいね。」
俺はナイフを取り出して、口ふさぎを切ると異種族が騒ぎ出した。
「誰だお前は!!私をどうする気だ!!」
「俺は旅人、君の身元が分かり次第…この箱の中にもう一度入れる。」
「私を解放しろ!!」
「またあの商人に捕まって、誰かに売り渡されることになるが…それでも?」
「次はそう簡単に捕まるか!!」
「うーん、試してみてもいいけども…そんなことよりも頼みがある。」
「頼み?聞いたら何かくれるのか?」
「ああ、こんな異種族を販売するような腐りきった世界よりも、もっと良い世界を紹介してやるよ。」
「…胡散臭い事を言うな!!」
「レッドストレージ生成、ブラックストレージ生成。」
レッドストレージは異種族などを特定地点へ、ブラックストレージは犯罪者を特定地点へと誘う箱。
使用許可はそれぞれ異種族と犯罪者と創造者だ。
誘い方法は人それぞれだが、箱の中に手を入れるという点では同じだ。
「なんだ…貴様?そんな箱何処から出した!!」
「無…からかな?」
「訳の分からない事を言うな!!」
「じゃあ、此処ではないどっかから。」
「ますます分からないぞ…とにかく、お前は普通じゃないんだな?」
「ぶっちゃけるとそうだな。」
「…それで?そんなお前が私に頼みだと?」
「ほう、信じるのかね?」
「…正直、信じられないが嘘ではないようだからな。」
まあ、目の前で本当に種もしかけもない事をやらされるとそうなるわな。
「このストレージの中に女の子が居るんだが…その子を守って欲しい。」
「守るだけで良いのか?」
「ああ、守る方法はどんな形でも良い。」
「…分かった、守ってやろう。」
「じゃあ、赤い箱の中に手を入れてくれ。」
「…こうか?…なんだ!?引きずりこまれる!!」
「抵抗はするなよ、余計に苦しむからさ。」
「おのれ…騙したな!?」
「騙してない、その証拠に…この女の子も入れるから。」
俺はストレージに明香ちゃんをレッドストレージに差し込んで吸い込ませた。
異種族はその光景を見て驚いた。
「…彼女も異種族なのか!?」
「この世界ではね、もちろん私もだが。」
「この世界では…!?…くっ、後で女の子から聞いた方が…!!」
異種族はかなり耐えきったが、最終的に踏ん張った足が地面から離れてレッドストレージの中に吸い込まれた。
女の子に聞いてみるねぇ…絶対信じてもらえそうにないがな。
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