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「それじゃ、最後に町でぶらついて出ていきますかね。」
「貴方のことですから、さっさと出ていきそうと思ったのですが違うのですね。」
「いや、ちらほら町の様子は買い物ついでに見てきたけども、じっくりと見てないからな。」
ここ十年は用事がある以外は外に出ないから、ある意味ヒッキーよ。
ぶっちゃけ、あんまり外には慣れてない中でのいきなり出ていけだから…訓練的な意味合いでじっくり見さしてもらうのさ。
この名前も知らない町の全貌をさ。
「それじゃ、世話になったな。」
「次の居場所にありつけるまで、どうかご無事で…。」
さあ、町の姿を…けっこう広いな。
こんな形の町だったっけ?ぶっちゃけ、教会と広場を往き来してたくらいで他の場所なんて知らないんだけど。
とりあえず端から見るか。
「おや、まだ町からは出ていなかったんですか?」
「教会からは出たさ。だが、あまりにも教会に依存し過ぎたせいで町の外に何があるのか分からなくってね。」
「そうですか…こちらとしては、あまりふらついて欲しくないのですが…お金を落としてくれるならば、それ相応の要望に応じましょう。」
やっぱりお金を落としてくれるかくれないかで対応が変わる客方式か。
まあ、地図だったり情報だったり必要だから、やっぱりお金は必要だな。
「酒場はどっちだ?」
「酒場というと情報…ですね、流石に貴方も情報は要りますか。」
「最近の事情は知りたいからな、んでどっちだ?」
「…5シルバーでどうです?」
「ほら、どっちだ?」
「酒場でしたら、あちらの方向になります。」
「そうか、それじゃあ情報を得しだい失礼するよ。」
「はい、そうしてくれると助かります。」
酒場の方向をお金を払って知ったので、仕方なく向かうことにする。
ここで違う場所へと行くとますます不機嫌になりそうだからな。
ちょっと後ろを振り返ると、町長は付いてきている…手っ取り早く出て行って貰いたいようだな。
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