初めての戦闘、初めての人

4/10
前へ
/52ページ
次へ
「本当だとも、安定な地盤は作らせてもらうよ。ただ…。」 「ただ…なんですか?」 「君は優しすぎる、それ故にこの異世界ではとても不安定な存在だ。」 怪しい人達との戦いの後、神様は私を下ろしてくれた。 優しすぎて…不安定? 神様の言うことが良く分からない。 「近くに村がある、とりあえずそこまで行こうか。」 「…はい。」 割と近くあった村は、なんだかすごく困っている感じでした。 何が原因で困っているんだろう…さっきの怪しい人達のせいかな? 「この村の人達は何か問題を抱えてるようだね。」 「そうですね…でも、よそ者の私達に話してくれるでしょうか?」 「うーん…とりあえず村長の家に行ってみようか。」 そう言って、神様は大きそうな家に向かいました。 あ…違うみたい、ここは教会でした。 神様は教会の隣の家に向かいました。 「あのー、すみません。」 「…なんじゃ、よそ者か?」 「この村の人達はなんだか元気が無いなので、何かあったんですか?」 「…よそ者に話すことはない。」 …あ、閉められました。 神様は仕方ない様子でまた教会へと戻ってきました。 「あのー、再びすみません。」 「…おや?まだ何かご用ですか?」 「村の人達が元気が無いようなんですけど…どうかしたんですか?」 「…この村の近くに山賊が現れまして、村の娘達が拐われ、食糧も奪われてしまったのです。」 「だから、元気が無いのか…。」 「旅人さん、何を考えているのかは分かりませんが、この村に関わるのは止めておきなさい。」 「逆らえば、拐われた娘達の命が無いと?」 「…そういうことです。だから、関わることはおよしなさい。」 そうは言っても…村の元気が無い理由が分かった以上はほおっておけない…。 なんとか出来ないかな…? 「神父さん。」 「…はい?何でしょう?」 「悪いけど、この子を預かってもらえないかな?」 「えっ!?」 「それは…どういうことですか?…まさか!?」 「そう、そのまさかだよ。それに私達はその山賊と一度関わってるし、その子も狙いを定められてる。」 神様は助ける気満々だ。 だけど、私は…足手纏いだ。 本当は神様と一緒に助けたいけど足がすくんでしまう。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加