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Day 1. 門(ほのぼの系)
通学路に、白い塀で囲われた大きな家が建っている。
大きな家、と言っても、小学二年生の美穂の身長では塀に隠れて屋根の瓦しか見えない。それだけ塀から離れた位置に家が建っているのだろう。つまり、庭がものすごく広いのだ。
一体、どんな家だろう。一体、どんな庭なんだろう。
こんなに大きなお屋敷だから、お殿様みたいなすごい人が住んでいるに違いない。広い庭には犬が元気に走り回っていて、お殿様はそれを笑顔で眺めているんだ。
前を通るたび、美穂は色々な想像をした。考えれば考えるほどに、正解が気になってくる。中を見るには、どうすればいいだろうか。
白い塀を越えるのは無理だ。よじ登ろうとして、泥棒と間違えられてもいけない。
となると、毎日前を通っている門。あの門さえ開いていれば、こっそり中を覗けるはずだ。
けれど、白い塀も閉ざした門も、美穂に正解を教えてくれない。
今日は開いてないかな、と駆け寄っては、閉まった門を見てとぼとぼ通り過ぎる。それが美穂の日課になっていた。
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