ー残酷ー

1/1
前へ
/51ページ
次へ

ー残酷ー

一体、どうなってる!? 「じゃあまず、簡単なルール説明から!」 まずはコイツの話から聞いてやるか 「はい! まずみんなにはこのゲームに参加するためのルール条件を話したと思うよ! それが達成出来た者、出来なかった者、それぞれ発表するよ! あ、そうそう!この条件は人にバレたらアウトだから、バレちゃった人は条件が達成できなかった、に部類されるよ!名前を呼ばれたら座ってね!」 多分、私は達成しているはず、 「まず弦乃翔子ちゃん!「場の指揮をとり、自己紹介を促せ」という条件をクリアしたね! 翔子ちゃんのおかげで私たちはみんなの個人情報を知ることができたね! ありがとう!!」 翔子さんが無言でドサっと座り込んだ 「次に三ノ上南乃花ちゃん! 「寝たフリをして一番遅くまで寝る」達成おめでとう!」 私も倒れるように座り込む 「次は木下楓ちゃん! 「職業を偽れ」という条件をクリアだね!本当の職業は漫画家、じゃなくて無職だね! もともと無職の楓ちゃんなら簡単だったかな? 唯一の友達の翔子ちゃんに職業を言ってなかったのがこんなに役立つんだね!」 楓さんは泣きながら座り込んだ 「次は河井琴ちゃん! 「名前を偽れ」という条件クリアおめでとう!河井琴ちゃん、本当は河井彩女(あやめ)ちゃんっていう名前なんだよね!妹の名前を使うとは、卑怯だったね〜!全国2位の彩女ちゃん!」 琴、じゃなくて彩女さんは無言で座った そういったくだらない嘘をつけという条件が多い中、最後に椿が呼ばれた 「坂道椿ちゃん、残念だね!条件をクリアできなかったよ!可哀想だね!」 「えっ」 椿は1人、呆然として突っ立ていた 「「関係を偽れ」という条件だったんだけど、椿ちゃんは嘘をつくことには成功したんだよね、でもバレちゃったんだよ」 「三ノ上南乃花ちゃんに!」 その通り、私は椿が嘘をついたことに一瞬で気付いた だって、私と椿は同級生じゃないから 「いやあ! 面白いよね! 同級生じゃない親友にいきなり「同級生」って言ったんだもん! 笑えちゃうよ!!」 「さあ、見抜かれちゃった椿ちゃんには罰として、死んでもらいます!!!」 「え?」 「は?」 「デスゲームなのかなんなのか知らないけど、アンタ、私を殺せるの!?」 「はい! 殺せますよ! なんなら今からやりますか!」 ポチッという音が聞こえた時にはもう、遅かった 「がああああああああああ!!!!」 椿が泣き叫んだ 「椿!どうしたの!?」 私が椿に駆け寄る 椿は右手首を抑えてもがいている 右手首に、何かある? 自分の右手首に目をやると、そこには黄色い小さなブレスレットがあった 「坂野椿ちゃんにはブレスレットから発射される毒針で死んでもらいます!」 「嫌だ!」 「助けて!」 「実の親友の南乃花ちゃんに助けを求めたらどうかなぁ?」 「言われなくても、そうするつもりだ!」 私は、椿を助けたかった 「死にたくない!」 「お願い!」 「見捨てないでよお!」 椿は抱きついてきた 「そのブレスレットを外してみる!」 私は椿の腕に付いていたブレスレットを外そうとした、しかし、 気がつくと、白目を剥いて気絶してる椿がいた、 「え?」 「ね、ねえ、」 「椿、、、?」 「え、ねえ? 椿!」 「ねえ、なんで?椿、、、」 「いや、」 「嫌だ、嫌だ」 「椿、どうして」 「い、いやあああああああああああああああ!!!!!!!!!」 なんで? 「ふふっ、死骸なら無料で差し上げますよ!」 「黙れ」 「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!」 「全く、その子は前座ですよ? 早く進行させてください」 「こんなのは悪い夢、そうよ! 悪い夢!」 「椿が死ぬ?そんなのありえないわよ!!」 パチンッ 誰かに叩かれた 翔子さんだ 「こんなことを高校1年生の少女に言いたくはないが、これは現実だ、死んだ彼女の分まで私たちは生きなければならない、なにより、今私たちはアイツの掌の上だ、ここは従ったほうがいい、毒針に刺されたくなければ、な」 「ごめんなさい、私は、冷静じゃ、なかった、」 「なんでだろう、こんなに悲しいのに、辛いのに、」 「涙が、一滴も、出ないんだよ」 「むしろ、怒りの方が勝ってる」 「なんで、なのかな」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加