ひと晩中

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ひと晩中

 明美さんが指差す先には、信じられないほど淡く輝く海があった。  星空を映したとしても、ここまではっきりと青白くならないだろう。 「あれはホタルイカの群れよ。とても美味しくて大好き! 茹でてもいいけど、新鮮なら生の方がいけるわ。大人になったら絶対にお酒と一緒にいただくと誓っているの!」  このあと明美さんはホタルイカの豆知識をひと晩中披露してくれた。  僕は曖昧な相槌を打つしかできなかった。  明け方に、彼女と見る黄昏色の海はこれで見納めにしようと誓った。
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