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黄昏色の海
黄昏色の海は、この世のものとは思えないほど美しい。
夕暮れの光が海面にたなびく。真紅に輝くビロードのようだった。
一日のうち、ほんのひとときしか見る事ができない光景だ。
赤い光は少しずつ海の向こう側へと沈んでいく。
肌寒くなる。
もうすぐ夜が来るのだ。
今日は一日中晴れるのを確認している。
満天の星空が輝くだろう。
僕はさざ波を聞きながら想いを口にしようと思う。
明美さん好きです、と。
ただ一つ、問題がある。
夜が近づくにつれてどんどん人が増えているのだ。
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