46人が本棚に入れています
本棚に追加
4.〔ななもり。〕メンバー
「では、すとぷり4周年記念に合わせて、カメラ放送を行うということで決まりでいいですか?」
東京のオフィス街。
拠点の一つである事務所に、メンバーや株式会社STPR…数年前に俺が作った会社…
の社員さん達と、すとぷり4周年に向けての企画会議を行っていた。
「いいと思うで〜、リスナーさん絶対喜ぶやろ!」
「僕も賛成です…ころちゃん、聞いてます?」
メンバーの賛同も受け、企画がまとまる。
「では、本日の会議は終了したいと思います。みなさん、お疲れ様でした!」
会議が終わって、俺はペットボトルのお茶を飲み干し、ホッと息を吐く。
活動に仕事。倒れそうになるくらい忙しい毎日。
だけど、こんな日々が楽しくてたまらない。
カメラ放送をすることを発表した時に、画面の向こうで喜んでいるリスナーさんの事を思うと、思わず微笑んでしまう。
それと同時に、昨日出会ったあの子のスマホに打たれていた文字も浮かぶ。
俺らのことを嫌いだと、アンチを書いていたあの子。
今まで画面越しに何度も汚れた言葉を見てきて、何度もぶつけられたけど、いざ目の前でその当人を見てしまうと、やっぱり落ち込む。
「なーくん、どうしたん?元気無いで?」
暗い表情をしてしまっていたのだろうか。
ジェルくんが俺のことを心配そうに見てくる。
その後ろから、さっきまではしゃいでいた残りのメンバーもじっと見つめてくる。
「え、俺そんな暗い顔してた?ゴメン〜なんでもない!ちょっと疲れてたんよ。東京ドームのこともリスナーさんに伝えなきゃだし。」
「そっか。無理せんでな?なーくん、頑張りすぎなとこあるから、また倒れたりせんか心配やわ〜。なんかあったら俺らに言ってな!」
「ジェルくんお母さんみたいw
ありがとね。大丈夫だから。」
すとぷりメンバーは本当に優しい。
彼らやリスナーさんが傷付くのだけは、絶対に許さない。
最初のコメントを投稿しよう!