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微笑む健ちゃんの顔が近付いて
目を閉じたら
柔らかく優しい唇が私の唇を塞ぐ。
さっきまでのテレとか恥ずかしさは
知らない間に吹き飛んでた。
私、ずっとこうしたかったんだ。
健ちゃんの胸の中で
健ちゃんが知らなかった私を見せる。
「……もうガキなんて言えへんな」
耳もとで健ちゃんが言う。
妹から恋人
ガキんちょから女。
健ちゃんが私の為に額に汗を滲ませて
息を弾ませる。
名前を呼べば見つめてくれる。
おちゃらけた健ちゃんも好きだけど
オトコな健ちゃんも魅力的。
妹のままじゃ永遠に知れない顔だった。
.
ふうっと息を大きく吐いて
ゴロンと横に仰向けになった健ちゃん。
「早く一緒に住めたらええな」
「うん」
幸せ過ぎて、嬉し過ぎて
ギューッと健ちゃんに抱きついた。
浮かれて
『大阪のおばちゃんになる! 』
なんて言ったけど
難問関門が山ほどある。
私、本当に大阪に来れる……かな。
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