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夕方の新幹線の時間まで
本当だったら、もっと大阪を満喫するつもりだったのに
健ちゃんのスマホが、なんだかイヤな予感を秘めた電話の音を鳴らした。
「……そっか、しゃーないな……。
すぐ行くわ」
……すぐ行くわ? それはどういう事?
なんて言える訳もなく
健ちゃんをじーっと見てた。
電話を切って、申し訳なさそうな感じで
凝視してる私の方に目を向けた健ちゃん。
「……すまん、仕事呼び出された……」
──やっぱり。
イヤな予感てなんでこうも当たるんだろう。
がっくりと肩を落とす。
「早く終わらせて帰って来るから……」
「……早く終わるかなんて、そんなの分かんないじゃん」
ぷいっと背中を向けた。
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