第2章 私の場合

21/23
前へ
/38ページ
次へ
 久しぶりに使うと心地良くて、彼女もまた、困ったように微笑んで「また明日ね」と返してくれた。  大きく手を振って別れると、私は急いで下駄箱を目指す。  先生との話が長引いて、これではいつものバスに間に合わない。  そんな、焦る気持ちを覚えながらも、しかし心はとても澄んで晴れやかだ。  きっとそれは、周りじゃなくて、他でもない私自身の気持ちが変わったから。  そう。周りは、一度たりとも変わってはいなかったのだ。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加