天使との出会い

2/3

25人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「お姉さん、やだ、泣かないで。天使が人間を泣かすとかってないから」 「そうだよ。これを落とした僕のミスなんだ。お姉さんが泣く理由ないからね?」   それでも、真麻はしくしくと顔を覆って泣きやまない。 「お、お姉さんどうしたの?」 「何故泣いているの?」  二人の天使はオロオロとするばかり。 「わ、私ね。こ、この、この間、し、し、仕事で、ミス、ミスしたの」  真麻が、嗚咽を堪えながら話し出す。 「お姉さーん、なんて名前? 僕はカール」 「私はミルクだよ」  二人が明るい声で、いきなり自己紹介したので、真麻は急に恥ずかしくなり、ハンカチを出して頬の涙を拭った。深呼吸して息を整え、きちんと座り直し姿勢を正した。 「はじめまして、私は浜辺真麻です」 「まあちゃん?」 「ヨロシク」  二人の天使はニッコリと真麻に笑いかけた。 「僕たちは、天使になったばかりでまだ修行中なんだ」 「そう……なの?」  天使が二人とも胸を張り、エヘンという顔をする。 「私もね、春から社会人になったばかりなの」 「そうなんだ。一緒だね!」 「なんか、親近感わくわー」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加