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三人が握手をしていると、その横を不審者を見るような目つきで子連れの女性が歩いて行った。
『この人、何!? さっきから見てると、一人で泣いたりぶつぶつ言って。早く、どこかに行ってくれないかしら。子供が安心して遊べないじゃないの!』
声は聞こえないのに、頭の中に直接言葉が流れてきた。
「え?! 今の人、私の事言ってるの?」
真麻が驚いて天使を見る。今にも泣き出しそうな真麻を見て、二人の天使は言いにくそうに、
「まあちゃん普通の人間に僕達は、見えないんだよ」
「だから、あの人は、まあちゃんの事を不審者だと思ってるみたい」
真麻は、ハッとした。
「まあちゃんのかけてるメガネで、僕たちが見えてるだけだから」
「そうなの? あっ……」
女の人が睨んでいるのが見える。真麻はいたたまれず、バッグを抱えて一目散に走り出した。
「「まあちゃん! どこ行くの?」」
天使二人は、ふわりと浮かび上がると、真麻を追いかけ始めた。
真麻は、走りながら今現実に起こっている事が一体何なのか考えていた。
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