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天使との別れ
「カール君とミルクさん、二人とも素敵なお仕事をしているのね」
真麻がニッコリ笑った。そして、
「私も、社会人一年生、始まったばかりなのよね。 うん、頑張る!!」
真麻がガッツポーズをした。
二人の天使は、真麻が元気になったのを見てとても嬉しくなった。
「私も立派な天使になるよ!」
「僕も頑張るー!!」
三人が決意を新たにした時、真麻の顔からメガネが外れポトリと落ちた。
不思議な事に、落ちたメガネは、双眼鏡の形に戻っていた。メガネが外れた真麻に天使の姿は見えなかった。
「カール君、ミルクさん、いるよね? 本当に見えないわ」
真麻が双眼鏡を拾うと、光の中に二人がいるのが見えた。
「これ、ありがとう」
「うん、こちらこそ、ありがとう」
「それじゃ、帰るね」
「「まあちゃん、元気でね」」
真麻が双眼鏡を手渡すと再び姿が見えなくなったが、双眼鏡がお別れとばかりにキラキラと光ったので、二人が空へ登っていくのが真麻にもわかった。
「バイバーイ! ありがとうー!!」
真麻は、大きく両手を振った。
光が消えると、視線を地上へ戻した真麻。数人の人が真麻を不思議そうに見ている。
「しまった!!」
真麻は、何でもないわよと、何気ない人を装い歩き始めた。
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