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更に数日後。
「隊長、宇宙から怪獣出現です」
「よし、出動」
隊員達は全員、数機の戦闘機に乗り、出撃していった。そして、怪獣が飛んでいるところまでやってきた。
「攻撃開始」
おのおのの戦闘機は怪獣に向かってミサイルやレーザーを発射していった。
「だめです、全然効きません」
「くそっ」
やがて怪獣は地上に降り立ち、歩き始めた。
「こうなったら作戦変更だ。攻撃するなり近づくなりしてやつの注意を別の方へ向けさせる。決して民家へ近づけさせてはならん。そしてヒーローの出現まで時間を稼げ」
「隊長、夕方までまだ何時間もあります。燃料も持ちません」
「よし、何機かは一度帰還して燃料を補給しろ。交代でやっていくんだ」
そうして作戦は続けられていった。
「そろそろ夕方だな」
「おい新入り、あまり無茶するなよ」
「わかってますよ」
新入りの乗った戦闘機は怪獣に近づいていく。すると、怪獣は突然、空を飛び始めるような動作をした。予想外な行動のためか、戦闘機は体当たりされる形になった。そして操縦不能となり、それから少しして墜落した。
「ああ、新入り~」
「無茶するから」
他の隊員達が絶叫し出した。
その時、ようやくヒーローが出現した。
「おお、やっぱり来てくれたか、頼んだぞ」
ヒーローは怪獣と戦闘を開始した。地上で格闘し、そして互いに空中を飛び続けたりしていった。
「かなり怪獣を追い詰めていってるようだ」
「そろそろ日没です」
「がんばってくれよ」
やがて怪獣は地面に倒れてそのまま横たわった状態となった。ヒーローはすぐさま光線を発射する動作を取ろうとした。
その時突然、怪獣はヒーローに向かって飛んできた。ぶつかってヒーローは倒れた。そして怪獣はその上に乗っかる形となり、ヒーローは起き上がれなかった。
そのあと、怪獣は上空へ飛んでいき、そして見えなくなった。
「助かった?」
「いやよく見てみろ、あいつの様子が変だ」
「何だって?すでに日が沈んで暗くて見えないぜ」
「よし、明かりをつけろ」
隊長の命令で、それぞれの戦闘機はライトを照らしてヒーローに向けた。
「おい、あいつの体がだんだん黒くなっていくぞ」
「ひえ~、一体どういうことだ」
「わからん。とりあえずいったん基地へ帰還する」
「それより新入りの乗った戦闘機はどうなってるんですか」
「まだ燃えてますよ」
「よし、一部の者は残って機体の炎を消火したあと救助しろ」
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