1人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういやあいつどうなったんだ」
「何か、牢屋に入れられたとか」
「あいつ、何か悪いことしたんかな」
「というより、色々重要調査の必要があるとか言ってたらしい」
隊員達が新入りについて話しているその時、作戦室の放送が開始された。モニターに字幕も映し出された。
「地球の皆さん、残念ですがお別れの時が来ました」
突然の放送に隊員達はたじろいだ。
「おい、またあの時と同じような声だ」
「またカプセルが見つかったんかい」
「いや、私は何も聞いてないぞ」
そう叫ぶ隊長のところへ、誰かがやってきた。
「大変です、牢屋が破られています」
「何だって。とにかく探し出せ」
放送が続いていく。
「私の正体が知られてしまいました。私の星の掟で、正体が知られた時は星に帰還しなければならないのです」
「正体って?ああやはりあいつか」
「隊長、あいつは放送室にいました」
隊長の机にある通信機の声を聞いて、そして命じた。
「すぐにここに連れてこい」
放送室に隊員達が入っていく。新入りが放送していた。
「でもご安心下さい。私の名前はナハト。私には弟がいます。リヒトと言う名前です。私が去ったあと、しばらくして地球に派遣してきます。それでは皆さん、さようなら」
「そいつを捕まえろ」
隊員達が飛びかかろうとしたその時、新入り隊員の体が光り、そして倒れ込んだ。
その時。
「おい、あれは何だ」
窓の方に何かが存在するのをそこにいる皆が目撃した。放送室だけでなく他の窓からもそれが見えた。
「あれはヒーローではないか。何だっけ、そう、夕焼けヒーローだ」
「いやさっき、ナハトって言ってなかったけ」
「あるいは朝焼けヒーローとも言わないかな」
「朝焼けの光の中に立つヒーローか」
地球防衛隊の基地内にいる者達は窓の外に、基地の外にいた人達はすぐそこにいる巨大なヒーローの姿を見つめ続けた。
そしてヒーローは飛んでいき、いなくなった。
「隊長、連れてきました」
数人の隊員達が新入り隊員の体を抱えてきた。
「こいつ、気を失ってます」
「何」
その頃、基地の外にいる隊員が何かを見た
「あれ、これ何だ、氷か?」
最初のコメントを投稿しよう!