夕焼けヒーロー

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「そういやあいつどうなったんだ」 「何か、牢屋に入れられたとか」 「あいつ、何か悪いことしたんかな」 「というより、色々重要調査の必要があるとか言ってたらしい」 隊員達が新入りについて話しているその時、作戦室の放送が開始された。モニターに字幕も映し出された。 「地球の皆さん、残念ですがお別れの時が来ました」 突然の放送に隊員達はたじろいだ。 「おい、またあの時と同じような声だ」 「またカプセルが見つかったんかい」 「いや、私は何も聞いてないぞ」 そう叫ぶ隊長のところへ、誰かがやってきた。 「大変です、牢屋が破られています」 「何だって。とにかく探し出せ」 放送が続いていく。 「私の正体が知られてしまいました。私の星の掟で、正体が知られた時は星に帰還しなければならないのです」 「正体って?ああやはりあいつか」 「隊長、あいつは放送室にいました」 隊長の机にある通信機の声を聞いて、そして命じた。 「すぐにここに連れてこい」 放送室に隊員達が入っていく。新入りが放送していた。 「でもご安心下さい。私の名前はナハト。私には弟がいます。リヒトと言う名前です。私が去ったあと、しばらくして地球に派遣してきます。それでは皆さん、さようなら」 「そいつを捕まえろ」 隊員達が飛びかかろうとしたその時、新入り隊員の体が光り、そして倒れ込んだ。 その時。 「おい、あれは何だ」 窓の方に何かが存在するのをそこにいる皆が目撃した。放送室だけでなく他の窓からもそれが見えた。 「あれはヒーローではないか。何だっけ、そう、夕焼けヒーローだ」 「いやさっき、ナハトって言ってなかったけ」 「あるいは朝焼けヒーローとも言わないかな」 「朝焼けの光の中に立つヒーローか」 地球防衛隊の基地内にいる者達は窓の外に、基地の外にいた人達はすぐそこにいる巨大なヒーローの姿を見つめ続けた。 そしてヒーローは飛んでいき、いなくなった。 「隊長、連れてきました」 数人の隊員達が新入り隊員の体を抱えてきた。 「こいつ、気を失ってます」 「何」 その頃、基地の外にいる隊員が何かを見た 「あれ、これ何だ、氷か?」
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