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「君みたいな子、結構いるんだよね~。」
言いながら門番はキリっとした姿勢を崩し、半笑いでシンデレラを馬鹿にするかのように手をヒラヒラさせました。
シンデレラは態度の急変した門番に戸惑い、何も言えずにいました。黙っているシンデレラに門番は続けました。
「せっかくの勝負服で、ビッと決めてる所悪いんだけど、招待状がないと、ここ入れないから。」
「えー、そんなー。」
シンデレラは嘆きの声を上げました。
「規則だから。さあ、帰った帰った。」
シンデレラが門番に追い払われた、その時、
「ちょいちょいちょーい!」
と叫びながら魔法使いのおばあさんが、大扉の前の大階段を二段飛ばしで駆け上がり、シンデレラの元へと走って参りました。
「ちょいちょいちょいと!」
「魔法使いのおばあさん!」
門番は、いきなり現れた魔法使いのおばあさんを訝しげに見つめました。
「え?なに?あなた、この子の知り合い?」
「はい。私はこの子の保護者みたいなものでして。ああ、ちょっと失礼。」
言いながら、魔法使いのおばあさんはシンデレラを門番から少し離れたところに引っ張っていきました。
「どうしたんだい?シンデレラ。」
魔法使いのおばあさんが来てくれて、安心したシンデレラは、少しべそをかきながら招待状を落としてしまったことを魔法使いのおばあさんに話しました。
「なんだ、そんなことかい。」
シンデレラの心配を笑い飛ばしたおばあさんは、ゴホンと咳ばらいをし、魔法のステッキを構えました。
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