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「ビビデ・バビデ・ブー!」
ボハンッ!と小さな爆発が起こると、その煙の中から一枚のハガキぐらいの大きさをしたカードが現れました。
「ほら、これで大丈夫。」
魔法使いのおばあさんから手渡されたカードを見て、シンデレラは感嘆の声を上げました。
「まあ、なんて素敵な招待状!」
さあ急いで、と言わんばかりにシンデレラの手を取って、魔法使いのおばあさんは大扉の門番の元へと歩み寄りました。
「ちょっと、門番さん!」
呼ばれて振り返った門番は、さっきの招待状のない奴らだ、としかめっ面をしました。
「なんですか?」
魔法使いのおばあさんはシンデレラを門番の前へと導きました。
シンデレラは魔法使いのおばあさんが作った招待状を門番に差し出しました。
「はい。招待状。ありました。」
門番は招待状を受け取ると、一転、姿勢を正し微笑みを浮かべました。
「はい、お預かりいたします。」
門番の態度の変化を見て、魔法使いのおばあさんはほっとひと安心しました。
「じゃあ、シンデレラ。舞踏会、楽しんで来るんだよ。」
シンデレラもホッとして、おばあさんに小さくガッツポーズを見せました。
「うん。私、楽しんで来るね。」
「はーい、ストーップ!」
門番はウキウキしている二人を呼び止めました。
そして、魔法使いのおばあさんの作った招待状を片手で雑に摘まんでビラビラと振りながら、二人に言いました。
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