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さすがの魔法使いのおばあさんも鼻息を荒くしました。
「もう、こんどはナニッ!」
門番も負けてはいません。眼光鋭く、魔法使いのおばあさんを睨みました。
「この子の名前『シンデレラ』ですよね?さっきから何度もそう呼んでるし。」
「はい。この子の名前は『シンデレラ』です。」
「この招待状、」
門番は魔法使いのおばあさんから受け取った招待状を二人に見せながら、その名前の部分を指差しました。
「名前が『シンデレラ』になってないんですよね。」
「そんなバナナ!」
魔法使いのおばあさんは招待状を門番からひったくると名前を確認しました。
「あ、これは、その、間違えて、そう!間違えて別の人のものを、お渡ししてしまいまして・・。」
そう、たどたどしく言い訳すると、魔法使いのおばあさんはクルッと回れ右して、ステッキを振り上げました。
「今度こそ!ビビデ・バビデ・・・」
「はい!ストーップ!」
「え?」
門番は、魔法使いのおばあさんが、今まさに振り下ろさんとする魔法のステッキの前に手をかざして、その動きを制止しました。
「あんた、さっきからそのステッキでなんかやってるね?この子はあんたのことを魔法使いのおばあさんと呼んでるし。」
門番は一層鋭い目つきで魔法使いのおばあさんを睨みました。
「あんた、魔法で招待状を偽造してるんじゃないの?」
「な!・・」
魔法使いのおばあさんは、口をパクパク動かしても、驚きのあまり何も言うことが出来ませんでした。
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