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後悔の思いを抱えたまま一日を過ごしたNさんでしたが、学校帰りに改札の前で、あの男の子の姿を見つけました。
「あ!」
と思わず声をあげると、男の子がこちらに気づいて、驚いたような顔をした後、またあの爽やかな微笑みを浮かべました。
朝のお礼を言いながら一緒に改札を通り、緊張しつつも言葉を交わすNさん。話を聞くと、その男の子もNさんと同じ電車に乗るとのこと。まるで運命です。嬉しくなって、次第に緊張も解けていきました。電車に乗ってからもお喋りを続け、男の子の名前や通っている学校、部活や趣味を知ることができました。やがて、Nさんの降りる駅が近づいてきます。さすがに降りる駅までは同じではなく、その男の子はNさんより二つ後の駅で降りるとのこと。
これで終わりたくないと思ったNさんは、勇気を出して男の子と連絡先を交換しました。異性の友だちもほとんどいないNさんにとって、これはとても大きなことでした。
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