「猫に翼を与える」屋さん

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…ん、もしやその人は、口から水があふれ出して、ぴちゃぴちゃと音を立てているのでは?! おおっ、だからぴっちゃー、かあっ! 納得の考察っ、素晴らしいぞ俺っ、最初の難関も楽々クリアだあっ! 次の文は、「で、タマを投げるんだー」  ほほう、今度は楽勝だな。 ふふふ、『タマ』とくれば猫に決まっている! もちろん念には念を入れて検索する事も忘れない。 〈猫 タマ〉と… ほう、最近は「タマ」という名の猫は少ないのか、嘆かわしい。 しかし、待てよ、確か『投げる』と言ったな? しかも『タマ』を『投げる』ということは… なんとおっ、動物虐待ではないのか?! い、いや、落ち着け俺、まだたったのツー・センテンシィズだ。これからどんなどんでん返しがあるか分からないっ。 そう、人生には「待ち」の姿勢も時には必要っ! 更に文は続く。 「そしてそれを、うつ!」 ほう、今度はまたシンプルだな。 うつ、といえば注射に決まっている。まあ、検索するまでもなかろうが。 〈うつ 注射〉… ふむ、『持続性注射剤の効果と副作用について』…? 『ヴァス・エヴァール』というモノはこのような知識が必要なのか、奥深いな。 ん、すると投げた猫に注射をするのか? それとも注射をした猫を投げるのだろうかっ? う、ううむっ、また次への課題なのかっ! 『ヴァス・エヴァール』よっ、手ごわいなっ! なに、次は… 「うまく打てばヒットになって飛んでいくんだよ」 〈猫 ヒット 飛ぶ〉と… ほほう、ジャンプする猫の写真集がヒットしているのか、かわいいではないか…♡。 …はっ、こんな所でほっこりされてしまうとはっ?! 心の隙を突く憎いヤツだなっ、『ヴァス・エヴァール』! 油断できないぞおっ! 心して次を考察しよう。 「もっとうまく打てば、フェンスの向こう、はるか彼方まで飛んでいくんだ、気持ちいいよー」 うん? 今の言葉は聞き捨てならないぞっ。 「猫がはるか彼方に飛んでいく」だとおっ、これは一体?! …そうかっ、俺ははた、と膝を叩いた。 はっ! こ、これが世に聞く『はたと膝を叩く』という行為なのか、生まれて初めて行ったぞっ! 今俺は、『はたと膝を叩く』童貞を卒業できたっ、ありがとう彼女っ。 う、理由は分からないが、何故か彼女に感謝してしまった! ノリとして許してくれたまえ、諸君!! そうっ、そうなのだ、ここでさっきの『注射』が生きてくるのがわかるっ! 何と言う伏線回収っ! これはもう匠の領域ぃっ!! なんとっっ、『注射』は猫に『飛行能力』を与えるものだった、とは! それが自然っ、ナチュラル、オーガニックッ!
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