番外編2 . 三つ揃え

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「ジャケット、脱ぐよ」  お伺いを立てられたのでうなずくと、瑛士は私の目を見つめたままジャケットを脱ぎ、ソファーの端にそれを放り投げた。そしてまた口付けられる。 「ネクタイは?」  次を聞かれ、自分の希望を口にする。 「ゆるめる、だけ」 「そう」  瑛士が私から視線をそらさずネクタイに指を掛け、くっとそれを斜めに下ろす。 「……狙いすぎ」  わざとしかめっ面をしてそう評すると、ニヤリと笑われた。 「でも、好きでしょ?」  ええ、めちゃくちゃ好物ですとも。ああもう全てに負けが込んでいる。  悔しくて、彼のネクタイを掴むと、自分に向かって引っ張った。そのまま覆いかぶさる瑛士を受け止めて、また口付ける。 「ふぁ」  彼の舌を唇で挟み込んで、扱き上げた。唾液をすすり、舌と舌を絡み合わせ、口の全部がだるくなるくらい堪能する。唇が離れ、一息つく頃には、私はソファーに身を投げだしていた。 「彩乃、全部脱いじゃおうか」  耳元でささやかれ、少しだけ我に返る。あれ、ここってリビング。それに照明が一番明るい状態だ。 「駄目……。明るいとこ、嫌。瑛士の部屋に行く」
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