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大きな大きなベッドの隅に、廉は手足を折り曲げて小さくなっていた。
「三好、もう少し伸び伸び寝たらどうだ?」
「え、あ、いえ。僕、寝相が悪いので」
さては、と省吾は廉の方へと寄って来た。
そして耳元で、そっと囁いた。
「さては、初めて、とか?」
かぁッ、と耳が熱くなるのが自分でもわかる。
廉は目を固く瞑って、必死で言い訳をした。
「は、初めてじゃないです。でも、誰かと寝る、なんて久しぶりで!」
「ホントにお前は素直だな」
喉奥で短く笑いながら、省吾は廉の身体に手を掛け、こちらを向かせた。
「か、顔、近いです!」
「イヤか? 三好」
「イヤじゃないです、けど……」
あとの言葉は、省吾が食べてしまった。
唇を塞がれ、廉は身をすくめた。
「んッ、んん。ぅん、ふぅ、うぅ……」
省吾のキスは、ひどく巧かった。
リップを柔らかく食み、舌を合わせて滑らかに擦る。
廉の咥内へ侵入し、優しく歯列をなぞり上顎を刷く。
それはもう夢見心地になるような、素敵なキスだった。
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