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「明日の朝食は、私が作ってやるからな。安心して寝坊しろ」
「あ、ありがとうございます」
その優しい言葉の心地よさに、どっと睡魔が襲ってきた。
(うわあぁ……、眠い……)
「三好、寝たか?」
「まだ、起きてまふ……」
「陥落寸前だな」
「甲斐さん、もっとお喋りしまひょぅ……」
「無理するな。おやすみ」
「甲斐さぁん……」
覚えているのはそこまでで、廉は眠ってしまった。
すうすうと、健やかな寝息でぐっすりと。
そんな廉の姿を、熱いまなざしで省吾は見た。
「私が三好に親切なのは、お前のことが好きだからだよ」
鈍感な奴だ。
そこもまた、魅力なのだが。
無防備な廉の頬に、省吾はそっと唇を落とした。
優しい、穏やかなキスをした。
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