KOKORO。

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「今日、星見るだろ?」 「まあみんな見るだろうし、いいんじゃない?見ても」 「お前なあ~こんな機会人生に一度だぜ」 結構乗り気な彼がビール片手に隣に座る。おんなじシャンプーの匂いに少し胸が高鳴る。 人生に一度なんていくらでもあるよ、とは言わなかった。言えなかった。 人生がいつ終わるかわからないし。確かにそれも一理あると思ったから。 人生において一番重要なことはなんだろう。 ふと考えて、私にとっては彼だった。人生を共にしたいくらいの、大切な人。もう出会ってから幾度もそう思っては口に出さず取っておく。なんでかって思うだろう。これは、実はただの自己満足だ。彼が私の人生だと思っているのは私だけ。 私だけの秘密は、私をキレイにする。そのために今日も秘密を創る。
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