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流れ星を見たとき、願いを3度唱えると叶う、というなんとも子供じみたジンクス。
「なんか願い事、しようぜ」
「願い事?」
思わぬ提案に気の抜けた声が出る。こんな歳で何かを願うなんてそうそうない。
「俺はね、死ぬまでビールが飲めますように!」
彼らしい、素朴な幸せの継続に笑みが零れた。さすが、私の友だ。
「で?お前はどうすんだよ」
「んー、考えとくよ」
なんだよそれ、と2本目の缶ビールに手をかける彼の背中を切に見つめる。…あ、シミ。
東京から、光が消えるまで、あと3分。
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