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episod 6
翌朝、見慣れない部屋で目を覚ましホテルに泊まったことを思い出す。
(そうだ、昨日は・・・)
昨夜の情事を思い出しシーツをギュッと握りしめる。
やっと、理人と繋がることが出来た。
一緒に住んでからも、最後まで抱くことをしなかった理人。
最後まではしたくないのかと悩んだこともあったが、違った。
理人は龍也が20歳になるまで待ってくれていたのだ。
思いを寄せあう恋人とは言え、自分は未成年だった。
だから、昨日まで我慢してくれていたのだ、と思うと幸せな気持ちになった。
まだ眠る理人に顔を寄せキスをする。
「ありがとう、理人さん」
そう小さくつぶやくと、理人が目を開けた。
(っ!起きて・・・!)
恥ずかしくなり身体を離そうとすると強く抱きしめられる。
「おはよう龍也」
そう言って額にキスをして、目を見つめて柔らかく微笑む。
「おはよう、理人さん」
幸せだ。心からそう思った。
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