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何とか上半身を起こし、ラピスラズリ達を見る。フェイスシールド越しでも、美しい青達だった。
この美しい青に殺されかけたとは。ようやく背筋がぞっとする。大体僕の時間はリサの1分遅れぐらいで流れている。彼女にそれを言えば「1時間は遅れている」と言い返されるだろうが。
やはり、この青に感じた冷たさは間違いなかったのだ。
地球への恋しさが急激に増す。
同時にハルに対する恋しさも。
「ねえリサ、君は本当に地球がどこに行ったかわからないの?」
何気なく、ふと聞いたつもりの僕の問いに、投げかけられたリサが浮かべた表情は、鈍感で鈍間な僕では測りきれないぐらい複雑だった。
怒りと呆れと哀しみを鍋に入れてくつくつ煮込んだところに憐れみと虚しさを隠し味に少し。例えるならそんなところかもしれない。
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