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「実は『静浜駅』は、以前から行方不明者が出ているのです。
はっきりした証拠はないのですが、午前0時ぴったりに『静浜駅』の改札を出ると、その人は別の世界の駅に出てしまうらしいという噂があるのです。」
榛名さんの言葉に、僕は急に不安と孤独を感じた。
「どうすれば、元の世界に戻れるのですか?」
僕が藁にもすがるような思いで質問すると、
「私にもわかりません。
すぐに警察に相談してみます。
いったん電話切らせていただきます。」
と榛名さんが僕を心配して行動を起こしてくれると話してくれた。
僕も自分のスマートフォンから警察に電話してみたけれど、不思議なことに電話は繋がらなかった。
さらに僕は、自分の自宅にも電話してみると、やはり電話は繋がらなかった。
しばらくすると榛名さんから電話が入った。
「瀬崎さん、私警察に電話して今警察の方に来ていただいています。」
榛名さんの言葉に僕は、
「実はこちらでも警察に電話してみましたが、電話が繋がらないのです。」
とこちらの状況を伝えると、
「そうですか…
多分私から自分のスマホに電話した場合だけ、電話が繋がるのかもしれません。」
と話してくれた。
「瀬崎さん、こちらでは警察の方が専門家の方に相談してくれているようです。
もう少しお待ちください。」
榛名さんが僕を心配してくれている様子が分かって、僕は少し安心した。
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