第10話 二人の戦士[少年]

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 しかし、先ほどジンから聞いた話に感情が揺らぐ。  今のマハーカーラは二世代目にあたり、その中心として活動しているのが、ジンの仲間だと言う。  その一人がラーマ・ベイ……ジンと競い合った仲だったが、頭の怪我のせいか記憶喪失になりった影響か戦い好きな犯罪者となり果てたらしい。  ハルカが居ては俺は必死になり、奴らと言葉を交わすことはできないだろう。  だが今この状況で奴らが俺と接触してくれば話す余裕もできるかもしれない。    ジンとは二年近く任務と鍛錬で共にした身であり、防護服も兼ねた厚みのあるこの着物はジンが買ってくれたものだ。  彼には感謝しきれない……だがそんな情の熱いジンをラーマ・ベイは記憶を無くしたとはいえ、彼の想いを踏みにじり傷つけた。  ラーマ・ベイと出会ったとき、俺は怒りをぶつけるべきか、それとも正しい道へと導くべきなのか、そんな迷いに揺らぐ。  無論、話にならないのならば戦うだけだ。  ジンや街の人々を傷つけたのは許せないし、ハルカを苦しめる奴は絶対な敵だ。  ハルカとは互いのアタルヴァを共有しているため、互いの位置や状態は少なくともこの街内ならば知覚できる。  今ハルカのアタルヴァは相変わらず学舎だ。  ならばーー今戦うのは問題ないな。
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